Design & Manufacturing デザインと製造

ヒルバーグ社の製品デザインプロセスは、ただ新しいものを作ることで進められてきたわけではなく、「問題」を解決することで進められてきました。45年前、Bo Hillebergは困難な天候の中でも容易に設営できるテントを作ろうと決めましたが、その際にこのデザイン手法を確立しました。彼のアイデア(インナーテントとアウターテントを連結した構造)は斬新で先駆的でしたが、その革新的な問題解決策は原因ではなく結果でした。今日もBo Hillebergはヒルバーグ社のデザイン・チーム率いています。彼らは皆、オールシーズンのバックカントリー冒険家です。Bo Hillebergと彼のチームは、機能最優先で問題を解決するという視点でデザインを捉えてます。 彼らは、1年中、様々なテントの中でとても長い時間を過ごしています。ほとんどとまでは言わないまでも、ヒルバーグ社のデザインは大自然の中で生まれています。そこから、問題解決の方法がCADシステムでスケッチされて、作図され、デジタル化されます。そして、実際に試すことのできるプロトタイプがつくられます。 それから「デザイン」が「開発」に移行し、すべてのテントとその細部は、生産前の試験のために数ヶ月(しばしば数年)を費やすことになります。当然のことながら、すばらしいテントを設計すること(問題をエレガントに解決すること)と、それを製造することは別のことです。私たちが心に描くものを、私たちが求める品質のレベルで作るために、ヒルバーグ社はエストニアに生産工場(ISO-9001:2000認証済み)を所有し、自ら運営しています。ヒルバーグ社は、2、3の慎重に選ばれた契約工場とも共働しています。しかし、製造工程の中心はエストニアの工場であり、そこでヒルバーグ社は組立、検査、および出荷前の承認を行っています。

このデザインと製造工程の組み合わせは、完全な品質管理をもたらします。さらに、私たちのデザインの改善をすぐに製品に反映できるようにしてくれます。この工程を通じて、ヒルバーグ社は、最新技術研究所と1年にわたる実地使用の両方で、新しい材料やプロトタイプを試験しています。全社員が、自らアウトドアの旅で学んだ経験をフィードバックしたり、世界中のヒルバーグ社の小売販売先やヒルバーグユーザーからのフィードバックを収集することによって、この開発システムに参加しています。

デザイン

ヒルバーグ社のデザイン・プロセスは、「アウトドア」と「インドア」の努力に等しく依存しています。実地での試験と評価は、1年を通じてあらゆるコンディションで行われます。同様に、オフィスでの仕事(CADでのパターン作成、プロトタイプの縫製、実地試験のデータ・チェックなど)も絶えず進行しています。

製造

量産の為の準備

ヒルバーグ社は、すべての生産部材を何ヶ月も前に発注し、徹底的な品質管理試験をします。 この方法によって、生産が始まるずっと前に、すべての不良部品を交換することができるようにします。ヒルバーグ社では、すべての生地の全ロールについて、配色の適正、耐摩耗性、防水性(必要に応じて)、重さ、そして手ざわりの試験をします。また、アウターテントおよびフロア面の生地の重要サンプルについては引き裂き強度を試験し、アウターテントの生地については、色の濃度と耐光性を試験します。さらに、テントのフロア面生地は標準的な試験とともに「tapability」試験にかけます。これに加えて、ポール、ジッパー、ファスナー、ウェビングなどがヒルバーグ社の品質基準をすべて満たすようにします。

1. & 2. テントの製造

生地部分は型紙を使ってカットされます。 各々のモデルに必要な生地、ジッパー、およびすべての細部を含む関連部分が集められ、縫製職人に引き渡されます。

3. 組み立ておよび品質管理

ヒルバーグ社が作るテントは、出荷前に完全に設営され、検査されます。テントの検査担当者は、インナーテントとアウターテントを目視検査し、2つをつなげて、ポールを挿入し、グラウンド・ストラップを取り付けます。テントを組み立てた後に、検査担当者は、グラウンド・ストラップに適度な張りがあることを確認し、ジッパーと縫い目をチェックするためにテントを開けます。テントを閉めた後に、検査担当者はもう1つの品質検査をして、ガイラインとラインランナーを取り付けます。いかなる点でも間違いが見つかれば、その影響を受ける部分を修正するために生産場所に戻されます。 保証され、承認されたテントは、畳まれます。 ポールとペグはそれぞれのスタッフサックに入れられ、テントと一緒にまとめてテント用のスタッフ・サックに入れます。 最後に、取扱説明書と品質管理タグが加えられます。完成したテントは、スウェーデンか米国の会社倉庫に向けて出荷の準備がされます。